犬を飼っていて会話が増えた
私たち家族は、特に仲が悪いというわけではありません。ですが、だからといって会話が絶えない家というわけでもないのです。食事の時には家族が揃うので、多少は会話はありますが食後はそれぞれの部屋に入り好きに過ごしていました。特に会話もなく、単に一緒に暮らしているだけのような関係に思えました。
でも、愛犬が来てからというもの気がつくとリビングに集まるようになっていたのです。母は、小さい頃に犬を飼った経験があったのであれこれと聞きました。困った事があったら、アドバイスをしてくれたりもしたんです。そして、父は犬を飼っている知人から貰ったアドバイスを教えてくれたりして、自然と会話が増えました。
不思議なもので、犬がいるだけでその場が明るくなるんです。犬が寝転んだだけで、水を飲んだだけで大騒ぎでした。あんなに家族で1つの事に夢中になった事はありませんでした。そして、思わぬ事を話すきっかけにもなりました。父親は、ずっと犬嫌いだと思っていたんです。犬を飼う時にも、最後まで反対だったのは父でした。ですが、実は父は本当は犬が大好きだったそうです。
ですが、当時犬を飼えるような状況ではなかったようで断念したそうです。
それから、父のなかでは犬を飼うのは難しいと思ったらしく結婚後も犬を飼おうとはしませんでした。
あれほど、犬を飼うのには反対だったのにケージや首輪選びに熱心だったのはそういう事かと思いました。
これまで、父の子供の頃の話というのはほとんど聞いた事はありませんでした。でも、犬を飼う事によってそういった話もするようになったんです。なんだか、以前よりも家族の距離が近くなったような気がしました。
それまで、家族というのは一緒にいるだけでいいと思っていましたがそうではありませんでした。
愛犬との生活は、我が家に新しい風を吹きいれてくれたような感じです。
犬を飼うと癒されるという話は、よく聞きますがそれだけではありませんでした。家族の仲を取り持ってくれる存在にもなったのです。